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アフリカでのこども支援「キラキラ」+それを日本で後援「キラキラを支える会」


by kjkirakira

補欠選挙

昨日2015年3月16日(月)は、
ナマンガを含む地域の下院議員の補欠選挙のため、
保育園も小学校も閉校。

ケニアでは、議員が大臣になる場合、
その議席は他の人に明け渡すのです。
それで、この地域の下院議員が数か月前に大臣になったため、
その議席をめぐる補欠選挙が行われたのです。

数か月間、ナマンガも含めた地域一帯が、
この選挙戦で興奮した時期を過ごしていました。

まず、与党内で候補者の決選投票があり、
僅差でT氏がM氏などを退け、
今回の補欠選挙の与党代表になることに。

僅差で敗れたM氏は、
今度は野党代表として選挙に参戦することに。
野党としては、
与党代表のT氏とほぼ互角に戦えるM氏を取り込んで、
意気揚々と選挙戦を続けていたのでした。

選挙のために政党を変えるって…、
日本人的な感覚だと、
「ポリシーのかけらもない」
という低評価となり、
票が伸びるはずがありません。

しかし、ケニアでは…。

ある日曜日、
たまたま私が普段参加しない10時から13時の教会の礼拝に参加していたとき、
その野党代表の候補者のM氏と、
ヘリコプターで駆けつけた野党のトップであるライラ・オディンガ氏が、
そのナマンガの教会の礼拝を訪問しました。

テレビでしか見たことのないライラ氏を間近に見て、
私も少し嬉しくなりました。
教会の礼拝に参加していた約200人の人たちも、
大喝采でした。

その翌日、
与党代表のT氏の応援のために、
与党連合のトップであり現大統領であるウフル・ケニアッタ氏も、
ヘリコプターでナマンガにやって来て集会を開きました。

その数日後、
再びライラ氏がヘリコプターでナマンガを訪れ、
さらに大規模な集会を開きました。

普段定職がない若者も年輩者も、男も女も、
この選挙戦はビジネスチャンスであり、
それぞれの陣営にくっついて移動し、
いろいろな活動を繰り広げていました。

そして、選挙当日、
ナマンガの街中の投票所は、
公立ナマンガ小学校と、
公立AIC小学校の2カ所のみ。

朝8時に投票に行ったジャシンタは、
11時頃に終えて帰って来ました。
毎度長い行列に並んでの投票になるのですが、
今回は1人だけを選ぶ選挙であり、
比較的早く投票し終えることができたようです。

投票日は、
いろいろな混乱を想定し、
また、園児や小学生の保護者たちが自由に投票に行ったりできるように、
保育園も小学校もお休みとするのです。

夜、テレビの全国放送のチャンネル全てで、
このナマンガを含む地域の補欠選挙の速報がテロップで報じられていました。
単なる地方の補欠選挙というよりも、
ちょうど5年おきのケニアの総選挙の谷間の時期に行われるこの選挙が、
現時点での与党と野党の力関係の現れとして見られ、
全国的に注目されていたのです。

予想通り、与党のT氏と野党のM氏の大接戦が繰り広げられていました。
僅差のまま、それぞれの票数が伸びて行きました。
やがて、M氏のリードが、100、200、300と広がっていき、
夜10時過ぎ、野党に鞍替えしたM氏の勝利が確定されました。

外では、M氏の勝利を祝して雄たけびをあげながら道路を行きかう人たちの声。
自動車やオートバイのクラクションの音も聞こえます。

大統領のウフル・ケニアッタ氏は、
ちょうど日本を訪問していらっしゃいました。
このこともあり、
選挙戦を直接応援するための選挙区巡りにおいて、
野党の積極性に惜敗してしまったのかもしれません。

(大統領が、ますます親日度を強めてくれることを願います。)

投票の翌朝、
保育園の保護者たちも選挙の話題で持ち切り。
園児たちも、MとTの名前を出しながら、
大人の真似をしてその話ばかり。

とにかく、与党と野党が平和的に切磋琢磨しながら、
より良い国をつくっていけるよう、
その下地として、教育を受けた一般常識のある選挙民を、
これからも地道に輩出していけるようなキラキラを目指してまいります。


相原 記


by kjkirakira | 2015-03-17 15:50 | ブログ 現地キラキラ