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アフリカでのこども支援「キラキラ」+それを日本で後援「キラキラを支える会」


by kjkirakira

卒園候補者たちの保護者への説明会

キラキラ保育園の、
この年末の卒園候補者は50人!
園全体の半分ですから、多いですね。

キラキラはもともと、
家庭の事情で就学が遅れた年長児童の救済が主目的でした。

やがて、よその幼稚園で落ちこぼれたり、
小学校の入学試験に落ちたりしたような子たちの救済の場となりました。

さらに、キラキラ入園のための熾烈な競争が激化するにつれて、
1年目はだめ、2年目もだめ、3年目でようやくキラキラの入園枠に入れた、
といった子たちも急増。

そして、キラキラは、卒園というステップアップにつき、
他所の幼稚園や小学校のように、能力(主に学力)で切ることをせず、
年齢(12月末時点で満6歳)で切っているため、
能力が低い子でも、卒園候補者となるわけです。

今回の説明会では、
①年齢を重視すること
②学力だけではなく、全体的な能力や発達の度合いも重視すること
③小学校に進学するかどうかの最終決定者は保護者であること
を説明しました。

そして、1人1人の現段階の意向を聴取。
すると、
・キラキラ小学校進学希望 33名
・公立ナマンガ小学校進学希望 1名
・タンザニアの公立小学校進学希望 1名
・未定(検討中) 3名
・キラキラ保育園留年希望 3名
・説明会に欠席 9名
という結果に。

毎年多くの卒園児を送り込んでいた公立AIC小学校は、
このままいけば、ついにゼロとなるかもしれません。

多くの親がキラキラ小学校を選ぶことは、
決して喜ばしいことではないのです。

まず、小学校(仮校舎)の教室のサイズからして、
収容できる適当な人数を超過したくありません。

次に、本当にキラキラ小学校を心底愛して選ぶならまだしも、
他の人たちがキラキラだから私もキラキラ、
そういう安易な発想が、徐々に増えつつあるような気がするのです。
それだけ安心して任せられる学校になりつつあることは喜ばしいのですが、
徐々に危険分子(学校運営の妨げになる保護者たち)も増えていきそうです。

今回のような、いつもと違った重要な会合も、
無関心で欠席したり遅刻したりする保護者たちとは、
これからも協働が難しくなります。

今回、公立ナマンガ小学校に決めたアグネスも、
タンザニアの効率小学校に決めたマーガレットも、
それぞれに家庭の事情などのしっかりとした理由があったのです。

さらに、予め、私とジャシンタ先生と、
年長組と年中組の先生たちとで話し合い、
50人中5人は保育園の留年を勧める方針でした。
しかし、5人中3人は快諾したものの、
2人は頑なにキラキラ小学校への進学を希望しているのです。

その2人とは、ミルカとイアン。

ミルカは、徹底的な能力不足の女の子。
それも、大人たちからの語りかけや指導への反応がいまいちで、
能力づけるのがとことん難しいタイプ。
お母さんは保育園留年に快諾しているものの、
ややスピーディーな思考回路の持ち主であるお父さんが、
自分の娘の無能さを認めたくないらしく、
頑なに進学を希望しているとのこと。
後日、お父さんとのゆっくりとした話し合いを持つことになりました。

イアンは、てんかん持ちの男の子。
お勉強ができないというレベルを超えており、
発達レベルは4歳児程度。
自分の持ち物と他人の持ち物が区別できず、
まっすぐに歩いたり、体のバランスを取ることが苦手で、
滑舌も悪く、語りかけに対する反応も鈍い。
薬は毎日内服しているものの、
半分脳が眠っているような状態が継続しており、
学習障害に陥らざるを得ません。
問題は、お父さんもお母さんも極度に楽観的であり、
同様のてんかんを自然に克服できた兄と姉のエピソードを引き合いに出し、
イアンも同様に10歳頃になったら克服できる、
イアンは絶対に特殊学級などには入れたくない!
イアンを留年させる必要などない!と言い張り、
全く私たちの意見に耳を傾けてくれません。
先日、鉛筆を5本置いて、イアンに数えさせました。
やはり、数えられません。
保育園の間、自分のバッグと上着とせいぜい飲み水くらいの管理だけでも大変だったのに、
小学校に入って、鉛筆数本やノート7冊ほどを、どうやって管理するのでしょうか。
キラキラだからこそ、年齢を重視して、イアンにも小学校進学のオプションを示しましたが、
これが他所の幼稚園であったら、小学校進学の話など全く出ないレベルです。
これが他所の小学校だったら、入学試験で一発で不合格です。
イアン本人の幸せ、同級生たちへの影響、ナマンガでの常識を考慮しつつ、
しばらくご両親の説得にあたるつもりです。
それでも、頑なにキラキラ小学校にこだわるなら、
イアン用の条件に同意していただくより他ありません。
こういうケースは、
日本でもなかなかスムーズにいかないのでしょうけど、
ケニアはなおさらです。

いろいろな意味で弱いこどもたちの味方であるキラキラとして、
真剣に考えたうえでの留年のお勧めなのですが、
なかなか一筋縄にはいきません。

そんなこんなで、何となくですが、
昨年末以上に前途多難感が漂う今日この頃。
人間に対する、コミュニティーを相手にする仕事とは、
こういうことなのでしょう。
私も、私たちも、みなが日々成長していく必要があります。

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K.A.記


by kjkirakira | 2014-10-24 23:38 | ブログ 現地キラキラ