私、相原功志は、
新潟大学の医学部を卒業し、
同大学の小児科の研修医として勤務し、
やめて、
ケニアでの活動を始めて現在に至ります。
大学生時代と研修医時代に集めた
医学書とか、専門書とか、資料とかを、
段ボール5箱にしまい、
いつか日の目を見るかもしれないと思いつつ、
24年が経過してしまいました。
いつしか時代は移り変わり、
紙の書籍から電子書籍に移行していきました。
当時は医学書をくまなく読んで知識を得ていましたが、
今ではインターネットでかなり専門的な知識まで手に入ります。
さらに、
90年代の医学の知識や情報や状況と、
現在のものとは、
まるで違ったものになってしまいました。
例えば、、、
精神科領域のADHDなんて、
90年代は全く耳にしなかったのですが、
今では精神科医療の中心に位置するまでになっています。
虚血性心疾患のための心臓カテーテル検査をせずに、
画像診断だけで冠動脈の状況がわかるようになっています。
これでは、仮に自分の娘たちが将来医学部に入ったとしても、
私が90年代に集めた書籍や資料は役に立たない。。。
では、捨てよう。
ここで、私の父から「まった」が、、、
せっかくだから、だめもとでブックオフに持っていこう、と。
ブックオフに持って行ったところ、
何と、5円とか10円で買取できるものもあるかもしれない、と。
早速台車を借りて、駐車場から段ボール箱をお店に運び込みました。
査定に1時間かかると言うので、いったん帰宅。
2時間後に改めてお店へ。
何と、買取価格は全部で計345円!!!
逆に、値が付いた本も何冊かあったことにびっくり。
結局、ブックオフの往復のガソリン代くらいにはなったかな。
ごみとして処分する手間が省けて良かったかな。
さて、24年間眠っていた段ボール箱の中に、
新品同様の聴診器がありました。
これはケニアに持って行かなくては!
さらに、白衣が6着ほどありました。
それらを娘たちに見せたら、
それはそれは喜んで、
早速試着会・撮影会が始まりました。
私にとって白衣とは、
将来的には白衣を着ない医者(公衆衛生とか、管理とか)を目指していた私なので、
若いうちに研修医などで経験を積むためにしかたなく着るもの、だったのですが、
ケニア育ちの娘たちにとってはあこがれの白衣です!!!
ケニアでは、医師を筆頭に、
医療従事者の学力や待遇やステータスが高く、
あこがれの職業なのです。
ですので、白衣は、
しかたなく着るのではなく、喜んで着るのです。
娘たちが将来なりたい職業として、
これまでいろいろな候補が挙がっていましたが、
医師もその一つです。
いきなり日本に医学を学びに来るのは言語的にハードルが高い。
アメリカやイギリスなどの英語圏に医学を学びに行くのも学費面でハードルが高い。
そこで、旧東欧諸国(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーなど)に行くのを勧めています。
それらの国では、
入学時にきわめて高い学力を問われることもなく、
学費も生活費も比較的安く、
英語で医学を学べるついでに現地語を覚えるチャンス(私はこれが好き!)もあり、
卒業時に取る医師の資格は全ヨーロッパで使える、
といった多くのメリットがあるのです。
実際、旧東欧諸国の大学を卒業した後、
日本の大学病院などに就職する若者もいる、とのこと。
私の昔の同世代の友人たち(みな偉くなったり、開業したり)の中には、
旧東欧帰りの若者はかなりユニークだ(個性的、自立、自己主張、、、)と言います。
私自身、高校3年時にフィンランドに交換留学生として1年間暮らしたことはありますが、
もし若かったら、、、
もし二度目のチャンスが与えられたら、、、
ポーランドとか、チェコとか、行きたいなあ、、、と思います。
ケニアは慢性的な医師不足を抱えています。
理由①医学を学べるくらいの高学力の学生が少ない
理由②国内に医学部のある大学が少ない
理由③待遇(給与など)が低い
理由④ワーキングスピリットよりも、金もうけを優先してしまう風土である
理由⑤チャンスがあれば外国に行ってしまう
理由⑥医師や薬に依存する(崇拝する)患者が多い
キラキラができることは、①④⑥への対策でしょうか、、、
①高学力のこどもたちがつぶされずに健全に育ち、
自信を持って、やりがいを持って、何でも自力でできる環境づくり。
④そして、単なる金もうけだけではなく、
仕事を全うすることの達成感や、
常に新しいことを学び続けることの喜びを、
こども時代から育んでいく、、、
⑥国民全体の学力レベルが上がれば、
自分で症状を分析したり、
医師の説明を聞いて理解する能力が上がるので、
ある意味医師の必要性は下がるはずです。
命を救う仕事をする医師、
命の価値を高める仕事をする医師、
これからも、キラキラの活動をしつつ、
医師たちに敬意を払っていきたいです。
相原 記