2023年9月29日(金)
今年度最後となる教職員会議を開催しました。
その前に、一人一人に9月分の月給を手渡ししました。
みんな、表情や言葉には出しませんが、大喜び。
他所の学校の多くは、月給が約束通り、期日通りに支払われないようで、
たとえ月給の額が低くても、しっかり支払われるキラキラは、
一度キラキラの水を飲んだ先生方には居心地が良いようです。
そして、翌年度の雇用契約を更新してもらいたい教職員たち(ほぼ全員)が、
その申請書を私に提出していきました。
さて、教職員会議では、
いろいろ有意義な話題で、
お互いに頑張っていく方向にプッシュし合いました。
この日、私が教職員の皆さんの前でしゃべったSELF-EFFICACYについて、
ちょっと説明します。
SELF-EFFICACYは、
日本語で言うなら「自己肯定感」となるでしょうか。
SELF-CONFIDENCEやSELF-ESTEEMは「自信」であり、
「できる!」「やれる!」という感情的な高ぶりを伴いますが、
SELF-EFFICACYは、
そういったことを冷静に分析して知って活用する、
あくまで知的な理解であり、
一時的な感情に左右されない、持続的な思考であります。
ケニアの教育改革にはいくつかの柱があります。
愛、敬意、など。
このSELF-EFFICACYもそれらのうちの一つです。
先日、うちの8年生たちのために、
カウンセラーを招待し、
いろいろ分析してもらい、
8年生たち、その保護者たちに語りかけてもらいました。
その分析と話題の中で筆頭に上がったのが、
SELF-EFFICACYに関することでした。
(彼の分析を私が解釈し、SELF-EFFICACYとしてまとめた)
8年生たちは卒業試験と高校進学を目前にし、
いまだ自己肯定感や自信がない様子。
そして、いまだに、友だち同士で相手を否定し合ったり、
親が子を否定するような語りかけをしたり、
残念ながら先生たちでさえ否定的な語りかけをしているのです。
これでは、自己肯定感は育ちません。
「自分はできない」「自分は無力だ」と洗脳され続けることになります。
これを、私は自分なりに調査、分析してみました。
そして、アフリカの長い歴史に根差した悪性腫瘍のような問題であると結論付けました。
アフリカは、長い間、列強(白人たち)の支配下にありました。
その支配は高圧的で、
アフリカの人たちはひたすら否定され続け、
身体的だけでなく、精神的にも奴隷とされ、無力化されたのです。
アフリカ諸国が独立を果たした1960年代以降、
白人による政権が、同士(黒人)による政権にとって代わったのですが、
なお、力による支配、
庶民を否定し、無力化し、強制するような支配が続きました。
そんなこともあり、
上(政府)から下(庶民)に至るまで、
否定的な言動が文化の中に染み付いてしまったのです。
それで、2023年の今現在も、
学校で、家庭で、ちまたで、
否定的な言動が繰り返され、
できる人でさえ「自分はできない」と言いながら縮こまっているのです。
8年生本人たちと、保護者の皆さんには既に伝えました。
お互いに肯定的な言葉で語り合うように、と。
今回の教職員会議で、
私とジャシンタ先生が、
先生方に対してわかりやすい言葉で、
良かれと思ってこどもに声かけしたつもりが、
実はこどもを否定し、こどもを無力化することになった、という事例を挙げながら、
繰り返し繰り返し説明しました。
今年度はあと1か月。
そして、1月からは新年度が始まります。
キラキラの教職員たちが、
一時代前の体罰や、こどもたちを無力化するような、
力による独裁支配から完全に離れ、
時代を先取りする形で愛のある保育・教育を実践する、
強く優しく、能力の高いチームになれるよう、
願ってやみません。
相原 記
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by kjkirakira
| 2023-09-30 21:39
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