こういう活動(学校運営)をやっていると、
いちばんのストレスが行政への対応になります。
とにかくわけがわからない、
強制、無理強いされる、
無意味なことが多い、、、
例えば、この時期、
今年の10月末に行われる
旧課程の8年生の卒業試験と
新課程の6年生の卒業試験の
受験登録が進められています。
これらの登録の期間は2月頭から3月末までの2か月間。
まずオンラインで登録し、
それを印刷し、
記入すべきところは記入し、署名や学校印などを加え、
教育委員のところに紙を提出しに行く、
というのが登録の流れになります。
ケニアでは、ものによっては、
早めにやってしまった方が良い(後からだとできなくなる)ことがある一方で、
遅れてやるくらいがちょうど良い(早くやってしまうと損をする)こともあるので
こういった登録手続きの際は注意が必要です。
今回は、後者(遅れてやった方が良い)があてはまりました。
まず、登録期間中に、
学校の登録番号が変更されたのです。
何でも、これまで私たちの町ナマンガはカジアド中央郡に属していたのですが、
人口増か何かの理由で郡が分かれて新たな郡が誕生し、
ナマンガはオロイリライ郡に属することになったのです。
それに伴い、
これまでは90㎞離れたカジアドにいたナマンガ担当の教育委員が、
これからはナマンガ(オロイリライ郡の郡都になった?)に常駐することになり、
受験登録の書類をわざわざカジアドまで提出しに行く手間がなくなったのです。
唯一それだけは良いことなのですが、、、。
しかし、学校の登録番号が変更になり、
各児童の受験番号も全て変更されたので、
一度印刷した書類を再度印刷し、
受験生全員の署名を集める作業をもう一度行うことになったのです。
そして、とある日曜の夜9時、
学校の代表・校長たちを含む地方の教育関係者たちが参加するSNSのコミュニティーにて、
急きょ、翌3月20日の月曜の午前中に県都カジアドにて会合があるとの通知が来たのです。
会合の内容は卒業試験の受験登録について。
大事な会合の通知が前夜の9時にまわってくるのが信じられません。
しかも、ナマンガから90㎞離れたカジアドが会場です。
キラキラはそれでも幹線道路沿いに90㎞だからまだましで、
田舎の交通の便のないところから参加する学校代表者たちはとっても大変です。
さらに、受験登録の2か月の期間が10日後に終わるというタイミングで、
今さらそれについての説明会なんて、
とても信じられません。
しかし、ケニアでは上(行政)は絶対です。
会合当日、キラキラからはマーシリン先生を派遣したのですが、
ほぼ全ての学校が会合に参加していたとのことでした。
「無理」を国の力と権威で強制し、
「可能」にしてしまうケニア、
こわいです、、、。
その会合の後に、
事情があってキラキラの一人の受験生の受験番号が変更になりました。
それを受けて、再再度同じ書類を印刷しなおし、
全受験生の署名を集める作業を繰り返すことになったのです。
オンラインですべてが完結せず、
しかも内容がころころ変わり、
いちいち何枚も何枚も印刷しなければならないこと、
いちいち何枚も何枚も同じことを繰り返し記入、署名、押印しなければならないこと、
ほんとにうんざりです。
そして、ようやく、
受験登録の書類をナマンガにいる教育委員のところに提出しに行きました。
すると、これが汚いから印刷し記入しなおしてくれ、とか、
さらにこれとこれとこれが必要、とか、
封筒をいくつこのように用意しろ、とか指示を受け、
出直すことになってしまいました。
全く、信じられません。
また同じような書類を何枚も何枚も印刷したり、
それらに同じ内容を何枚も何枚も記入・署名・押印したり。
日本の行政であれば、
書類Aが何枚、書類Bが何枚、、、、
これをこのように記入して、
封筒をこのように用意して、
などと、完璧な「登録マニュアル」を事前に提示してくれるに違いありません。
そうすれば、一度きりで登録を完結することができるでしょうに。
しかし、ケニアではそんなものはなく、
各学校の代表が登録手続きの書類を提出しに行った際に、
教育委員じきじきに
「これをこうしてあれをああして」
と説明するいう無駄なやり取りが繰り返され、
時間の無駄、印刷用紙の無駄、プリンターのインクの無駄、
交通費(遠くからやって来る学校代表たち)の無駄、
ありとあらゆることが無駄になってしまうのです。
まだこれとこれとこれが必要、という話を聞いた夜、
私はさすがに腹を立てて、苦々しい思いで、ぶつぶつ言いながら、
印刷し、記入し、、、という作業を小一時間ばかりすることになりました。
ケニアの行政に、
純粋に能力の高い人、
純粋に仕事ができる人、
一度苦労して(完璧なマニュアルやシステムをつくって)
行政側も顧客(学校代表)側も仕事量を減らして楽をしようとする合理主義者、、、
これらがいないのが問題です。
ケニアでは、
2003年キバキ大統領就任以降、
教育改革(義務教育無償化の流れ)により、
教育の普及、発展が続いてきました。
しかし、その成果が、
行政のサービス向上にまだまだ結びついていないようです。
これからに期待するしかありません。
そして、そうした行政の無駄に対して、
いちいち腹を立てたり、
苦々しい思いをせずに気楽にかまえていられるよう、
私たちの側の(好ましくないが絶対必要な)意識改革の維持が必要です。
さらに、行政関連の無駄に対応する余力を残しておくために、
行政以外の部分は徹底的に無駄を省いていくことが必要です。
ケニアが真に発展し、
物心ともに先進国になれるよう、
キラキラはこれからもできる限りがんばって貢献してまいります。
相原 記
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by kjkirakira
| 2023-03-24 16:38
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