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アフリカでのこども支援「キラキラ」+それを日本で後援「キラキラを支える会」


by kjkirakira

スカート一着が遠い!

先日、キラキラの制服類7万円分くらいを、
ナイロビのジョビくんを介して仕入れる話を書きました。

仕入れの流れは、
注文リストをWhatsapp(日本のラインのようなメッセージアプリ)でジョビくんに送り、
ジョビくんがお店や洋裁職人のところに行って値段交渉し、
金額がWhatsappで送られてきて、
その額を私からジョビくんの携帯電話あてにデジタル送金(Mpesa)し、
ジョビくんが荷物をまとめてケニア版宅急便で我が家あてに送る、
というもの。

しかし、先にも書いたとおり、問題発生!
ズボン9着とスカート20着、計1万5千円分が、
荷物の中に入っていなかったのです!

それで、ジョビくんが再びお店に行って、
今度はお店の方の負担で責任もって送ってもらうことに。

数日後、物が届き、確認すると、
スカート一着足りない!

もうね、、、何て言うか、、、がっかりです。
本当に、ケニア人と商売をするのは、至難のわざです。

私がナマンガでもナイロビでも、何かの買い物をするときは、
小さな買い物でも、大きな買い物でも、
自分でしっかりと物を数え、しっかりとお金を計算しなおし、
お店の人の計算に頼らずにしっかりと再確認をします。

こうすることで、これまで何度も間違いを発見してきました。

お店の人が損をしてしまいそうだった場面では、
感謝され、「あなたに神様の祝福がありますように」と祝福を祈られ、

お店の人が得をしてしまいそうだった場面では、
「ごめんね、間違ってた」と軽く謝られ。
多くの場合は、お店の人によるる単なる計算ミスなのですが、
ときどき、「あ、こいつは、客をだまそうとしていたな」とわかるものもあります。

ジョビくんは、他の多くのケニア人同様に、
店頭で物を数えなおしたり、お金の計算を確かめたり、しないのでしょう。

あるいは、お店の人が、
勝手に荷造りを進めてしまい、
もはや荷を解いて数を確認することができない状態にさせられてしまうのでしょうか?

あるいは、ジョビくんがしっかりと確認している最中に、
マジシャンのような慣れた手つきで物を抜き取ったりしているのでしょうか?
ケニアでは、よくあることのようです。

かつて、ジャシンタ先生が銀行にお金を引き出しに行ったとき、
計20万シリングくらい、すなわち1000シリング札が200枚必要だった時に、
家で私が数えてみると、
1000シリング札の代わりに500シリング札が1枚混ざっていて、
結果的に、合計額が500シリング足らなかったことがありました。

銀行の窓口の人は、
お客さんにしっかりと見えるような角度で、
全てのお札をお札勘定機に通して見せてから、
札束を輪ゴムで束ねてお客さんに手渡してくれます。

しかし、この過程で、
ちょちょっとマジシャンのような手つきで、
1000シリング札を500シリング札と入れ替えて、
銀行員がその500シリング札をまんまと自分のものにせしめてしまったのでしょう。

数時間後にジャシンタ先生がそのことを抗議しに銀行に行くも、
証拠がないということで、盗まれた500シリングは返してもらえず。
逆に、その銀行員は、
その後ジャシンタ先生のことを嫌い、
サービス態度も悪くなったとか。
ケニアでは、盗んだ側が盗まれた側を嫌い、搾取するのはとくあることです。
盗まれた側がとことん損をするのです。

そんな感じで、
ズボンとスカート1万5千円分が届かなかった時も、
きっとお店の人が盗むこんたんだったのでしょう。

その後にスカート一着分が届かなかった時も、
きっとお店の人が盗むこんたんだったのでしょう。

わざわざクレームするのが面倒くさいと言って、
泣き寝入りしてしまうお客はきっと多いでしょうから、
そのお店の人は、これまで何度も何度も客をだましてきたのでしょう。

そのことを、そのお店の人は「成功」と呼ぶのでしょうけれど、
絶対にそれは「失敗」ですよね。
そういうお店の繁盛は一時的で、限定的なものにとどまり、
結局は客を失い、倒産したり破産したり、
それより何より、神様からの祝福をいただけませんから。

最終的に、何とか最後のスカート一着を入手することができました。
ジョビくんにとっても、貴重な社会勉強になったでしょう。

そのスカート一着は、
ナイロビのお店では500シリング(500円)、
キラキラでは550シリングで売ります。
同じサイズのものをナマンガの洋裁職人に依頼すると900シリングくらいかかります。

キラキラの制服類販売も、
そもそもキラキラ自体の運営も、
安価で良質のものを提供していくために、
こういう涙ぐましい努力があるわけです。

そんな私(たち)が受け取ることになる報酬は、
「感謝」だったり「尊敬」だったり「祝福」だったりするわけです。

☆☆

左がズボン、右がスカート、
1つ足りない!と知った時のがっかり感は例えようがありません。

スカート一着が遠い!_b0124020_20104804.jpg




















相原 記


# by kjkirakira | 2024-03-21 20:40 | 現地キラキラ ブログ Ke最新情報・記録
ケニアでは各地で陸上競技会が進行しています。

ナマンガ地域も、先日地区レベル(区レベル)の大会が開催され、
キラキラからは5人、
アルバンくん(8年生)、U15、円盤投げ、
ヒカリさん(7年生)、U15、100mと400m、
アビノーシムさん(7年生)、U15、800mと1500m、
アレックスくん(6年生)、U12、円盤投げ、
ジェームスくん(5年生)、U12、400m、
が市レベルの大会に駒を進めました。

市レベルの大会は3月20日(水)で、
U15(中学生)は公立AIC小学校で、
U12(小学生)は公立ナマンガ小学校で、
開催されることになっていました。

しかし、当日の朝8時、
突然の予定変更が発表されました。
U15とU12の全てをAIC小学校で行う、と。

それで、市街地にあるナマンガ小学校から、
市街地から4㎞離れたAIC小学校へ向かうこどもたちの列ができ、
その列がひっきりなしに、
キラキラ幼稚園のそばのアンボセリロードを通っていきました。
ナマンガ市街にある多くの小中学校は、
全校生徒で応援に行く、としていたため、
大勢のこどもたちが徒歩移動を始めた、というわけです。
(キラキラは5人の選手と少数の先生たちのみ)

計画性のある日本で生まれ育ってきた私にとっては、
こういう無計画、あるいは、
当日になってから計画が変更されるという、
アフリカではありがちなことに、まだまだ慣れることができません。

また、前夜、ナマンガ市の北部マイリティサ地区の代表の先生から、
キラキラのスクールバスをレンタルしたい、という申し出がありました。
市の北部地区の選手たちを会場まで連れてくるために。

幸い、こっちの方は計画的に事が運び、
レンタル料金8000シリング(8000円)も前夜のうちに現金で届けられました。

当日朝、キラキラのスクールバスは、
幹線道路沿いに6㎞離れたビリカ・キャンパス(小中学校)までキラキラのこどもたちを運び、
そのままナマンガ市街から15㎞離れたマイリティサまで行き、
そこで北部地区の選手たちを載せ、
キラキラ幼稚園まで運んできて、
そこで選手たちを降ろし、
あとは会場のAIC小学校まで2㎞を歩いてもらい、
ということを2度繰り返しました。

北部地区の選手たちは全員で160人!
つまり、一度に80人がスクールバスに乗ったということになります。
キラキラのスクールバスは33人乗りで、座席も33席しかありません。
しかし、キラキラでは毎回60人くらいを載せて走っています。
しかし、80人、しかも、中学生くらいの大きめの子たち!
こんなにぎゅうぎゅうに乗せたのは初めてでした。

幹線道路沿いに立って車両を検閲している警察官たちは、
車両が過度にたくさんの人を載せている場合、
注意を促し、罰金を取ったりすることもあります。
しかし、この日は、予めわかっていたので、
北部地区の先生が警察に前もって連絡し、
しっかり許可を取って見逃してもらった、とのこと。

まったく、アフリカの人たちは、
計画性がなかったり、計画性があったり、いろいろです。

さて、本番のレースの方は、
何とかスムーズに滞りなく進められ、
夕方6時半には閉会式が行われ、
市レベルの大会を勝ち抜いて群レベルの大会に進出する子たちの名前が発表され、
7時にはお開きになりました。

キラキラの選手5人は、
残念ながら群レベルの大会に駒を進めることはできず。
いいところまではいったのですが。

さて、今回、
郡レベルの大会と、県レベルの大会とを、
ナマンガの公立AIC小中学校が主催して開催することになっています。
同校の先生方は、引き続き大仕事をこなしていくことになります。
同時に、ナマンガのいくつかの寮設備のある学校では、
遠くからやって来ている選手たちの宿泊を提供します。
キラキラは、恐らく、またスクールバスを提供することになるでしょう。

☆☆


U15の女子400mの予選に、
ヒカリさん(黄色の2番のシャツ)が出場します。

陸上競技、市レベルの大会_b0124020_19300160.jpg




















予選はやや大人数で走るので、
各レーンに2人ずつ。

陸上競技、市レベルの大会_b0124020_19300170.jpg




















こちらは、同決勝レースに出場したヒカリさん(黄色)です。
決勝は各レーン一人ずつ。
しかし、どうしても、
アウトコースの子たちが徐々にインコースに入って来てしまうので、
フェア(公平)ではない感が否めません。

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相原 記


# by kjkirakira | 2024-03-21 20:04 | 現地キラキラ ブログ Ke最新情報・記録

貯水タンクの修理

キラキラのビリカ・キャンパス(小中学校)には、
貯水タンクが12台あります。

それぞれのタンクの容量が5000Lで、
いつも10000Lの給水車を呼んで、
1回3000シリング(3000円)で注水してもらいます。

その、12台のうちの7台が壊れたままになっていました。
多くは、蛇口の不具合、
他は、蛇口部分の漏水や、
タンクに穴が空いていたり、
タンクが凹んでしまったり、というもの。

4年~9年前に購入して設置したものが、
次から次へと壊れたり、不具合を生じたりしているのです。
本当に、すぐ壊れますね。

それらの修理のために呼んだ友人の配管工のバラサさんは、
20年前、2004年のキラキラ幼稚園の建設時に大活躍した建設職人。
その後、彼は配管を学び、
一人前の配管工になったのです。

20年前、私自身も体を動かし汗水流して建設に取り組みました。
今は、私自身体を動かすことはありませんが、
一人前の建設現場監督にはなれたと思っています。

そのバラサさんと、
その助手のジャニュアリーさん(「1月」さんという名前!)、
ビリカ・キャンパスの守衛のデリック先生、
スクールバスの運転手のジュリアナ先生と一緒に、
タンクを一つ一つ巡回し、
修理していきました。

☆☆


配管の部品を購入する金物屋さんです。
ケニアではデジタルマネー(MPESAなど)が普及・浸透しており、
たいがいのお店ではご覧のようにデジタルマネー決済の案内が表示されています。

貯水タンクの修理_b0124020_18565842.jpg




















ナマンガは夏の終わり、秋(雨季)の始まりとあって、
灼熱の太陽が降り注いだり、
雲で空が覆われて少し涼しい風が吹いたり、
雨がぱらついたり。

貯水タンクの修理_b0124020_18565873.jpg




















蛇口の交換です。
右の白いシャツがバラサさん、
左がジャニュアリーさん

貯水タンクの修理_b0124020_18565896.jpg




















次々に蛇口の交換をします。
赤いシャツは運転手ジュリアス先生

貯水タンクの修理_b0124020_18565810.jpg




















タンクに空いた穴や亀裂を修復するために、
プラスチックを熱して患部に接着させます。
そのためのこの器械は、灯油を使用するバーナーです。
しかし、何度やっても器械が言うことを聞かず、機能せず。

貯水タンクの修理_b0124020_18565945.jpg




















それで、器械に頼らずに、
原始的なやり方でプラスチックを熱することにしました。
シャベルで、調理室のかまどの中にあるたきぎの燃えカスをすくって持ってきました。
この燃えカスはまだまだ熱く、物を置くと燃えるんです。

貯水タンクの修理_b0124020_18565851.jpg




















タンクの幹部を、
熱したプラスチックできれいにふさぎました。

貯水タンクの修理_b0124020_18565939.jpg




















このタンクは、
かつて給水車の人が上にのったとたんに大きくへこんでしまい、
2年間くらいそのまま放っておかれたもの。
中にバラサさんとジャニュアリーさんが入り、
力ずくで少しずつ変形を修正していきました。
あと少しのところで力尽き、さあどうしよう、ということになりました。
そこで、運転手ジュリアス先生が発案。
バスの修理時に車体を持ち上げるジャックという器械を使ってみよう、と。
材木を適当な長さに切り、それを患部にあてて、
ジャックでその材木を少しずつ押して持ち上げ、
患部は見事に少しずつもとの形に修正されていきました。
ケニアでは、さっきのプラスチックを熱する原始的な方法もそうですが、
こうやって頭を使って、器械に頼らず何とかする、
または、器械を別の目的に使ってでも何とかする、
無から有を生み出す創造力が必要です。

貯水タンクの修理_b0124020_18565968.jpg




















黄色いシャツは守衛のデリック先生です。
お昼休みのこどもたちが見学に来ています。

貯水タンクの修理_b0124020_19091336.jpg




















タンクの修理をしているそばで給食をとる子たちです。
給食は、教室内でも外でもどこで食べても良い、というシステムです。

貯水タンクの修理_b0124020_19091363.jpg




















修理したタンクを持ち上げて移動させます。

貯水タンクの修理_b0124020_19091303.jpg




















3年生の教室のぞばに、
左のタンクを設置するために持って来ました。
右のタンクを別の場所に移動させるために、
まずは水抜きをしています。
水が底の方に少しでも入っていると、
その重さと、タンクの中で水が揺れることで、
運ぶのが相当たいへんになってしまうからです。
ご覧のように、タンクを傾けて、
蛇口から残水がことごとく出ていくようにします。
1年以上洗っていなかったタンクなので、
残水、というか残渣は、茶色かったり、緑っぽかったり、、、

貯水タンクの修理_b0124020_19091378.jpg




















ビリカ・キャンパスでの一連のタンク修理を終えて、
今度は我が家の配管修理です。
これは台所のシンクです。
家を建てて、最初の2年くらいは水が出たのですが、
その後9年間ずっと水が出ないままでした。
この日、修理して、蛇口を新しいものに取り換えて、
久しぶりに水が出るようになりました。

貯水タンクの修理_b0124020_19091472.jpg




















左の蛇口が買ったばかりの新しいもの。
右と真ん中の蛇口は、
使用して数年経って、さびたり、かけたり、
完全に使い物にならなくなっていました。

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相原 記


# by kjkirakira | 2024-03-21 19:29 | 現地キラキラ ブログ Ke最新情報・記録
ケニアの昔の人たちは、
水は川や泉や井戸で汲んで家に持ってくるものでした。
その後、町で水道の公共事業が起こり、
町のあちこちにある水道や、
近所の家の庭にある水道に、
水を汲みに行くようになりました。

下水の方は、
トイレだったら大きな穴にコンクリートの蓋をしただけの便所で用を足し、
他の生活排水だったら、
洗濯後の水は庭にまき(打ち水の効果がある)、
歯磨きなどの際も庭のすみっこでうがいをする、という感じで、
ほんとに適当、ほんとに単純でした。

それが、少しずつ人々が石レンガで近代的な家を建てるようになり、
家の中に水洗便所をつくったり、
家の中に水道網を張り巡らしたり、
家の敷地内に下水槽をつくったり、
日本の平均的な家屋とほぼ同じようなつくりになっていきました。

しかし!!!
日本の家屋と比べて、決定的な違いは、
部品の質が低く、部品の寿命が短い、ということ。

日本の家屋でも、
壊れやすい箇所として、
1に上下水道の配管、
2に電気関係、
3にドアや窓など、
挙げられると思います。

それでも、日本家屋のこれらは、
ほぼ永久的に機能し、めったなことでは壊れません。

例えば、私のさいたま市の実家の階段の電球は、
家を建ててから30年くらい経って初めて新しいものに交換したくらいです。
これはさすがに、私の両親も、信じがたい、と言っていましたが。

ケニアの私たちの家の配管は、
早いもので2年後、
もったとしても10年後に、
修理を必要としています。

家の中の水道が全滅して、
しかたなくバケツをたくさんもって、
外にある水道から水を汲んで屋内に持って来て使うありさまです。

水洗トイレも全く機能せず、
バケツに汲んでおいた水を勢いよく流すことで何とか使用を続けています。

キラキラの幼稚園にも、小中学校にも、
たくさんのタンク(貯水槽)を設置し、
そこから直接水を汲むことができるように水道の蛇口を設置しているのですが、
その蛇口が壊れる壊れる。
蛇口が壊れると、全く水が出ない(通らない)、
または、水が漏れ出たりあふれ出たりしてしまうようになります。
水があふれ出ないように、ビニール袋やゴムなどを詰めて置いたり、
水漏れしないように、大きな石を蛇口の上に載せて固定したり。

さすがにこのままではまずいとなり、
この土日、配管工の友人を呼んで、
修理を開始することにしました。
まずは、できるところ、大事なところから、一つずつ。

幼稚園やうちの畑の外にある蛇口を交換するだけなら簡単ですぐできます。
しかし、我が家の内部の蛇口は、
蛇口を交換しただけではらちが明かず、
配管自体を精査することになりました。

水源である貯水槽(タンク)から、
管が枝分かれを繰り返しながらその部屋のその蛇口に到達するまでの経路上で、
詰まっているところはないか、
一つずつ、少しずつ、チェックしていきました。

「ここはこうだからこうなるはずだ」
「ここはこうだからこうはならないはずだ」
などと、配管工の彼と話し合いながら、進めていきました。

上にある貯水槽から出たきれいな水が、
1本の管で地表に降りてきて、
最初に枝分かれする箇所(管がT字に連結されている)を掘り起こしました。

その枝分かれの、右側も、左側も、水が出ないということで、
精査を重ねたところ、
その枝分かれ地点の少しだけ上流のところが詰まっている、と判断し、
管を切り、針金を入れたり、
遠く離れた水道の蛇口から大きく息を吹き込んでみたりしたところ、
出ましたよ、詰まりのもとが。

詰まりのもとになっていた汚れの塊は、
土などのほこりと、
水に含まれる塩分と、
金属のさびなどが融合したものでした。

もともとの水源が、
幼稚園の敷地のいちばん低いところに掘削した井戸なので、
そこから電力でくみ上げられた水には、
どうしても土の汚れが混ざっているのです。

さらに、ナマンガの地下には塩の層があり、
私たちの井戸水も塩分濃度が高く、
流れがよどむ配管の枝分かれや蛇口のカーブなどで塊が生じやすいのです。

11年前に、この家を建てたときに、
配管工の人に、
「これらの管を地中に埋めて、コンクリートで覆ってしまって、
何年後かに、管が詰まって、再び掘り起こして修理する、
なんてことはあり得ないのか?」
と尋ねた際に、
「100%そういうことはない」
と断言されたので、
私も半信半疑ながらも、安心してコンクリートで覆ったのですが。
案の定、だめでしたね。
11年後に、コンクリートを壊して、掘り起こして、修理することになろうとは。

だって、神様が綿密な計画を練ってつくった人間の血管だって、
塩分で血管の壁がかたく、もろくなったり、
コレステロールの塊が管の枝分かれやカーブのところに詰まったり、
遠くでできた血栓のような塊が飛んできて遠いところの細い血管を詰まらせたり、
「100%詰まることはない」どころか、
「人の一生で、100%どこかが詰まるであろう」というのが正しいのですから。
まして、不完全な人間どもがつくった上下水道の配管だったらなおさらですね。

そんなこんなで、我が家と幼稚園と畑で、
いくつもの修理が完了し、
久しぶりにストレスなくふんだんに水が使える状態になりました。

しかし、また数年後に、同じことを繰り返さなければならないと知ると、
いっそ、近代的な家ではなく、
昔ながらの、配管も何もない家に住みたいな、とすら思ってしまいます。

☆☆

まず、配管工の人に、
一つ一つ問題個所を見せて、
購入して準備する部品を列挙してもらいます。

すぐに壊れるケニアの配管_b0124020_22410323.jpg




















11年前につくったコンクリートの床を壊し、
その下の土を掘り、
11年前に敷設した配管を探り、、、
2mくらいに渡って掘りました。
それでも、結果的に詰まりが除去され、
外科手術が成功したのですから万々歳ですね。

すぐに壊れるケニアの配管_b0124020_22410200.jpg































相原 記


# by kjkirakira | 2024-03-17 23:26 | 現地キラキラ ブログ Ke最新情報・記録

リケジョの成績表

ケニアの教育改革により、
旧制度8・4制が、新制度6・3・3制になり、
その新制度の最初の世代が今の8年生(中学2年生)です。

キラキラの今年度の最上級生がこの8年生となり、
旧制度のこどもと新制度のこどもが混在する状態に別れを告げ、
ついに新制度の児童生徒のみとなりました。

旧制度最後の世代(9年生に相当)は、
既に旧来の4年制の高校1年生となって、
キラキラを巣立っています。

その、旧制度の最後の世代である我がノゾミさん。
その高校生活(全寮制)を眺めながら、
私たちもいろいろと新しいことを学んでいます。

☆☆

その、ノゾミさんたちが2月末の中間休みの前に受けた中間試験の結果が、
ようやく公表されました。

公表、といっても、
我が子の点数と順位と、平均点くらいしかわかりません。
それが、携帯電話のSMSと、
予めインストールしておいた専用のアプリで、
各生徒の親に知らされました。

ノゾミさんの高校はさすがに国立高校とあって、
各教科の平均点は軒並み高く、65点~85点くらい。
ノゾミさんの成績も真ん中くらい、平均くらい。

しかし、その成績表は、
とっても特徴的なもので、
私たちノゾミさんの両親は大いに満足しました。

英語とスワヒリ語は平均くらい。
数学は平均より上。
物理と化学と地理(社会科の地理に加え、理科の地学的な内容も含む)は平均より上。
生物は平均くらい。
歴史・公民と宗教科と商業科とフランス語は平均より下。

皆さんもお気付きの通り、
典型的なリケジョ(理系女子)の成績表ですね。

ある意味、
日ごろの努力や暗記以上に、
センスや思考回路が必要な科目が上に出ました。

高校に進学するにあたって、
私は、自分の経験から、
「数学は常に全部理解できるようにしておけば、貯金ができて、後で楽ができる」
「高校生のときに数学脳、物理脳をつくっておけば、大人になってからいくらでもつぶしが利く(どんな分野に行っても役立つ)」
「生物とか、社会科系の科目は、いざとなればいくらでも挽回できる」
というアドバイスを何度も何度もしていました。
そうしたら、ほんとに、その通りにやってくれました!

☆☆

ケニアの高校は、日本の高校同様に、
ある程度全ての科目を履修しますが、
高校卒業試験(国家資格)では全科目を選択する必要はありません。
英語、スワヒリ語、数学は必須だとしても、
他は、得意科目だけ、選択した科目だけ、で良いのです。
(私はかつてのセンター試験で、国・英・数・物・化・世界史、で勝負しました)

数学や物理は、
ケニアでも日本同様に苦手者が続出し、
他の教科の平均点が50点くらいでも、
物理だけは30点とか、ざらにあります。

それでも、あえて、
高校の卒業試験では物理を選択してほしいなあと思います。
物理が足かせになって、
総合点が下がってしまうリスクはあるにしても、
物理の神がかり的な素晴らしさに感動する経験や、
物理の理詰めで思考していく経験を経ながら、
見る人が見ればわかるような理想的な理系の成績表を、
これからも維持していってほしいです。

かつてのキラキラ幼稚園の卒園児で、
私がやっていた土曜補習にせっせと通い、
キラキラOBの中でもその存在が際立っていたジョゴーくんやブルノくんは、
私に言われるまでもなく、強制されるまでもなく、
高校で物理を選択していました。
「物理を選択した生徒は学年でたったの7人」などと言っていました。
彼らの人生において、ほんの数年間でも、
私、コージ先生がインフルエンサー的存在になれたこと、
教育者としては感無量であります。

☆☆

私はかつて、中学を終えて高校に進学してすぐに、
自分は意外にこれができる、
自分は意外にこれができない、
という新たな認識と一喜一憂を経験しました。

時には、本当にだらけまくって、
0点や赤点を取りまくった頃もありました。

学校の先生方に対して挑戦的に、
どうどうと内職をしたり、
試験の答案に脈絡のない答えを記入したりしたこともありました。

しかし、私の両親や、主だった先生方は、
私の成績や勉強態度に関しては恨み言を何も言わず、
ただただ息子を、ただただ生徒を、信じて黙って待っていてくれました。

私も、ノゾミさんの成績については、
「理想的なリケジョ(理系女子)の成績だ、素晴らしい!」と言ってひかえめに褒めることはあっても、
「社会科がだめだね」とか「フランス語がだめだね」とか「平均並みで満足していてはいけないね」などと負の言葉は言わず、
常に肯定的で、全幅の信頼を維持していきたいものです。



相原 記


# by kjkirakira | 2024-03-17 22:35 | 現地キラキラ ブログ Ke最新情報・記録