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アフリカでのこども支援「キラキラ」+それを日本で後援「キラキラを支える会」


by kjkirakira

肥満対策

キラキラ保育園と小学校では、
毎学期の出欠記録はもちろん、
毎学期身長と体重を測り、
通知票に記録して保護者の皆さんにもシェアします。

ケニアの学校でここまでのサービスをするところはほぼありません。
ケニアの学校というと、テストの点数で評価するところ、ですから。(哀)

アフリカは、飢餓、すなわち、
貧困や飢饉のために食べられずにやせ細って健康を害すというのが主流でした。
とくに、貧しい環境にあるこどもたちを支援するキラキラでは、
平均よりも体格が劣っているこどもがほとんどでした。

しかし、アフリカ全体の経済成長の影響が田舎町のナマンガにも押し寄せ、
キラキラのコミュニティーの経済レベルも多少底上げされ、
絶対的・恒久的な飢餓は激減しています。

ここで、一人、肥満児が現れてしまいました。
年中組のレビくんです。
まだ5歳と5か月、うちのヒカリと同年齢。
なのに、身長120センチメートル、体重30キログラム!
(ヒカリは107、16くらい)

乳幼児用の指標であるカウプ指数(体重÷身長の二乗)で見ると20.8、
学童用の指標であるローレル指数(体重÷身長の三乗)で見ると174、
いずれにしても肥満の領域です。

身長も高いので、体質的な肥満でもあるわけですが、
ちょっと目にあまるくらい太ってきてしまい、
私たちも心配しています。

4か月おきの身体測定で、
平均的には4か月で1キロくらいずつ体重が増えていきます。
レビくんも、年少組時代から年中組の最初までは、
この平均的なペースで体重を増やしてきました。

しかし、この3月から7月にかけて、
4.1キロも増やしてしまったのです。
どおりで、久々にケニアに戻って来た私から見ても、
明らかに別人になってしまっているわけです。

ご両親は、貧乏だったのだが、
一生懸命頑張ってハイレベルな生活をしていこうとしている人たち。

ローンで車を買い、
こどもの誕生日には大きなケーキを特注し、
栄養満点の食事を食べさせ、
良い服を着せて、
と言った具合。

ここで、普通なら私がしゃしゃり出て親御さんとお話をするところだったのですが、
既に保育園主任のスワレ先生がママと話をしたとのこと。
(スワレ先生、思いやりにあふれた働きぶり、あっぱれです!)

すると、ママは、
息子の体がどんどん大きくなっていくのはとても誇らしいことだと勘違いしていたようです。

アフリカでは、太った人ほど立派で格好良くて尊敬されるという風習がありました。
日本でも、世界中でも、かつてはそういう傾向があったのではないでしょうか?
近年の、栄養ブームとか、トップモデルの台頭で、
やせた人への憧れが増して来ただけで。

こどもの頃から高血糖や高脂血症に体をさらしてしまうと、
一生涯健康上の苦労を抱えながら生きていくことになってしまいます。

レビくんの問題点は、
パパが運転する車で通園していたこと、
家で脂っこいものや甘いものをたくさん食べていたこと、
身体を動かして遊ぶことよりもお勉強することを重視されていたこと、でした。

既にスワレ先生からの適切なアドバイスを受けたご両親は、
少しずつ改善を始めています。
最近は、車での通園をやめて歩いてやって来ます。

飢餓や貧困から抜け出したアフリカの人たちが、
車を使った歩かない生活、
たらふく脂っこいものや甘いものを食べる生活にあこがれ、
それが実現しつつある昨今、
保健や教育的には生活習慣病対策、
経済的には健康食品、サプリメント、栄養バランス、ダイエット、ジム、といったビジネスが、
今後ますます栄えていくことになりそうです。


相原 記


by kjkirakira | 2016-08-02 17:17 | ブログ 現地キラキラ