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アフリカでのこども支援「キラキラ」+それを日本で後援「キラキラを支える会」


by kjkirakira

少年サムエルくんの葬儀の準備

3年余りの短い一生を終えたサムエルくん。
その死は、ナマンガの多くの人の心に触れ、
私の周りでも重苦しい空気が漂っています。

ケニアでは、人が亡くなると、
葬儀屋さんに全てを依頼するなどという文化がまだなく、
コミュニティーの人たちが協力し合って葬儀の準備を進めていきます。

サムエルくんの場合、
お父さんの運転手仲間、
お母さんの野菜市場仲間、
サムエルくんの学校(キラキラ)関係者、
近所の方々、
家族のお友達、
といった人たちによるコミュニティーということになります。

毎晩毎晩、
そのコミュニティーが集います。
みんなが集まれるように、
遅めの時間帯(20時以降)になります。
それがいわばお通夜のようなもので、
お通夜が平均で1週間続くのです。

私も毎晩それに通うので、
寝不足状態になります。

そのコミュニティーでは、
葬儀準備委員会がもうけられ、
委員長、書記、会計などの役員が、
毎晩の集会を仕切って行きます。

キリスト教会の牧師補佐で、
キラキラ年中組トライアンフくんのお父さんが、
今回はその書記になっています。

委員会の役割は、
主に資金繰りです。
お葬式にはお金が必要です。
それを、みんなで出し合って工面するのですが、
その募金がなかなか大変なのです。

キラキラでは、
その委員会と並行させて、
キラキラ独自でできることを進めています。

まず、まだ幼かったサムエルくんの写真を、
キラキラ在籍中の1か月半の間にたくさん撮ることができたのは、
他ならぬ私であり、
私がそれを何枚か印刷して、
引き延ばして額に入れてあげました。

それをお母さんに届けた時、
写真を見せた途端に、
お母さんは泣き崩れてしまいました。

その日の夕方、
保育園の先生方とその子弟たちが訪問したところ、
「キラキラのこどもを見ると悲しくなるから」
という理由で、
お母さんの部屋の中に入れさせてもらえなかったようです。

キラキラのPTA役員会も臨時に招集しました。
そこで、ケニアで学童の死が起きた時の通例にならい、
各児童20シリング(24円)、
各保護者100シリング(120円)の募金を行うことになりました。

毎朝、保護者たちがこどもを連れて登校してくる時間帯に、
それをせっせと集めています。

さらに、葬儀が行われる明日木曜日を、
キラキラ保・小ともに閉校することにしました。

そして、80㎞離れたカジアドの遺体安置所まで遺体を取りに行く際に、
キラキラのスクールバスも出動させることにしました。
ケニアでは通例、遠い町に遺体を引き取りに行くだけのために、
大勢の人が遺族とともに旅をするのです。

その、キラキラのスクールバスの座席を予約してもらうため、
キラキラの先生方と保護者の皆さんの中の希望者から、
100シリングを受け取っているところです。
バスの33席は、全て埋まってしまいそうです。

そのカジアド行きに参加する児童代表として、
3年生から3人を選出し、
それぞれの保護者の許可もいただきました。

委員会で、
葬儀当日の食事の準備などの際に水が必要とのことで、
それをピックアップ(小さなトラック)で調達することになったのですが、
タンク(水槽)がないとのことで、
キラキラからも1000リットルのタンクを一つ提供することにしました。

今夜が委員会の最後の集会です。
そこで、募金の集まりが悪いようなら、
キラキラの募金から補てんして、
葬儀を無事に営むことになります。

もし、委員会の募金だけで十分であるなら、
キラキラの募金はほぼ全額お父さんとお母さんに手渡しするという形になります。

愛するキラキラ園児のために、
コミュニティーの一角として、
サムエルくんの魂のために、
お父さんとお母さんの心の平安のために、
心こめて、最善を尽くして、
送り出したいと思います。


サムエルくん(中央)。
亡くなる2日前に撮った画像です。

少年サムエルくんの葬儀の準備_b0124020_19392939.jpg















相原 記


by kjkirakira | 2016-02-24 20:12 | ブログ 現地キラキラ